September 12, 2006

クライマーズ・ハイ

息子の薦めで読み始めた小説
1985年に起きた日航機の御巣鷹山墜落事故
その時に群馬の地方新聞記者が主人公
社内の派閥、人間・親子関係、人間心理が
さまざまに折り重なって自分を試される
ちょっと重たいけれど引き込まれる
全文に
「下りるために登るんさ」
「大きな命と小さな命・重い命と軽い命」
の言葉が呪文のように這っている
面白い小説と評しては不謹慎な気がするが
読み終えたときに
深く考えさせられ、また爽快感をも感じた

事故そのものは事実に基づいているので
その当時の記憶が蘇ってきて、苦しくなった
奇跡的に生存した少女は
その後看護婦さんになったと聞いている

8月になるとニュースになる
毎年の慰霊登山に訪れる遺族も歳を重ね
登山を断念する方も増えているそう
山小屋を守り登山道の整備をしていた方も亡くなり
今、当時日航の社員だった方が意志を継いでいると

あのニュースをTVで見たときの記憶は
今でもはっきりと覚えている
それでも、長い年月を経てその時の衝撃は薄れてきている
アメリカの同時多発テロも・・・
そして、さまざまな事故、殺人、病気で失われる命

遺族の方がたはその時から時間が止まっているのでしょう
愛する人を失って尚生き続けなければならない自分

本と現実が入り混じり
さまざまな思いが頭の中を交錯

横山秀夫氏の作品
以前読んだ半落ちも氏の作品だったことに
初めて気が付いた

半落ちよりもすばらしい作品だったと思う
ぜひ機会があったら読んでみて





18:28:00 | wanwan | | TrackBacks